SalesforceのAPIにはさまざまな種類がありますが、特に代表的なのが「REST API」と「SOAP API」です。本記事では、それぞれの特徴を比較し、どちらが自動化に適しているのかを解説します。
REST APIとSOAP APIの基本
SalesforceのREST APIとSOAP APIは、どちらもデータの取得や更新を行うための仕組みですが、その設計や用途が異なります。
REST APIとは?
REST(Representational State Transfer)APIは、軽量で柔軟な通信が可能なAPIです。HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を使用し、シンプルなJSON形式のデータをやり取りします。
主な特徴:
-
シンプルで使いやすい
-
JSON形式でのデータ送受信
-
HTTPメソッドを活用した直感的な操作
-
モバイルアプリやWebアプリとの相性が良い
具体例: たとえば、Salesforceに新しい顧客情報を登録する場合、以下のようなリクエストを送信します。
POST /services/data/vXX.X/sobjects/Lead/
{
"LastName": "Yamada",
"Company": "ABC Corporation"
}
これにより、新しいリードがSalesforceに登録されます。
SOAP APIとは?
SOAP(Simple Object Access Protocol)APIは、厳格なデータ構造を持つXMLベースのAPIです。Webサービスの標準規格として広く採用され、大規模なエンタープライズシステムとの統合に適しています。
主な特徴:
具体例: 新しいリードを登録する場合、以下のようなSOAPリクエストを送信します。
<soapenv:Envelope xmlns:soapenv="http://schemas.xmlsoap.org/soap/envelope/">
<soapenv:Body>
<create xmlns="urn:partner.soap.sforce.com">
<sObject>
<type>Lead</type>
<LastName>Yamada</LastName>
<Company>ABC Corporation</Company>
</sObject>
</create>
</soapenv:Body>
</soapenv:Envelope>
REST APIとSOAP APIの比較
| 項目 | REST API | SOAP API |
|---|---|---|
| データ形式 | JSON | XML |
| 利便性 | シンプルで扱いやすい | 厳格な構造で複雑 |
| 処理速度 | 高速 | 比較的遅い |
| セキュリティ | OAuthで認証 | WS-Securityを使用可能 |
| トランザクション管理 | 基本的にサポートなし | 強力な管理機能あり |
| 主な用途 | モバイル・Webアプリ、自動化 | 大規模システム連携、金融・医療業界 |
自動化に最適なのはどっち?
REST APIが適している場合:
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シンプルなデータの取得・更新を行いたい
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モバイルアプリやWebアプリと連携したい
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素早く開発・導入を進めたい
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高いセキュリティとデータの整合性が求められる
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既存のエンタープライズシステムとの連携が必要
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大規模な業務プロセスを統合したい
まとめ
SalesforceのAPIを活用する際、REST APIとSOAP APIの違いを理解し、用途に応じて選択することが重要です。一般的な自動化にはREST APIが適しており、迅速な開発とシンプルな実装が可能です。一方、エンタープライズ向けの厳格な要件がある場合は、SOAP APIが有効です。どちらを選ぶかは、業務のニーズに応じて判断しましょう。
