USBデバイスディスクリプタの詳細解析：各フィールドの意味と設定方法

USBデバイスディスクリプタは、USBデバイスの基本情報をホストに提供するための重要な構造体です。このディスクリプタを通じて、ホストはデバイスの特性を認識し、適切なドライバをロードします。以下では、USBデバイスディスクリプタの各フィールドの意味と設定方法について詳しく解説します。

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1. デバイス ディスクリプタの基本構造

USBデバイスディスクリプタは、以下のようなフィールドで構成されています：

bLength
bDescriptorType
bcdUSB
bDeviceClass
bDeviceSubClass
bDeviceProtocol
bMaxPacketSize0
idVendor
idProduct
bcdDevice
iManufacturer
iProduct
iSerialNumber
bNumConfigurations

2. 各フィールドの詳細と設定方法

a. bLength

意味: ディスクリプタの長さ（バイト単位）
設定方法: 常に18（デバイスディスクリプタの固定長）

uint8_t bLength = 18;

b. bDescriptorType

意味: ディスクリプタの種類を示す（デバイスディスクリプタの場合は0x01）
設定方法: 常に0x01

uint8_t bDescriptorType = 0x01;

c. bcdUSB

意味: USB仕様のバージョン（BCD形式）
設定方法: 使用するUSB仕様に基づいて設定（例：USB 2.0の場合は0x0200）

uint16_t bcdUSB = 0x0200; // USB 2.0

d. bDeviceClass

意味: デバイス全体のクラスコード。0x00はインターフェース毎に定義されることを示す。
設定方法: デバイスの種類に基づいて設定（例：0x02はCommunications and CDC Control）

uint8_t bDeviceClass = 0x00; // インターフェース毎に定義

e. bDeviceSubClass

意味: サブクラスコード
設定方法: デバイスの種類に基づいて設定

uint8_t bDeviceSubClass = 0x00; // インターフェース毎に定義

f. bDeviceProtocol

意味: プロトコルコード
設定方法: デバイスの種類に基づいて設定

uint8_t bDeviceProtocol = 0x00; // インターフェース毎に定義

g. bMaxPacketSize0

意味: エンドポイント0の最大パケットサイズ（一般的に8, 16, 32, 64のいずれか）
設定方法: デバイスのハードウェア仕様に基づいて設定

uint8_t bMaxPacketSize0 = 64; // 例：64バイト

h. idVendor

意味: デバイスベンダーID（USB-IFから割り当てられる）
設定方法: デバイスメーカー固有の値を設定

uint16_t idVendor = 0x1234; // 例：仮のベンダーID

i. idProduct

意味: デバイスプロダクトID（ベンダーがデバイス毎に設定）
設定方法: デバイス固有の値を設定

uint16_t idProduct = 0x5678; // 例：仮のプロダクトID

j. bcdDevice

意味: デバイスリリース番号（BCD形式）
設定方法: デバイスのリリースバージョンを設定

uint16_t bcdDevice = 0x0100; // 例：バージョン1.00

k. iManufacturer

意味: メーカー文字列ディスクリプタのインデックス
設定方法: 文字列ディスクリプタのインデックス（0は無効）

uint8_t iManufacturer = 1; // 例：インデックス1

l. iProduct

意味: プロダクト文字列ディスクリプタのインデックス
設定方法: 文字列ディスクリプタのインデックス

uint8_t iProduct = 2; // 例：インデックス2

m. iSerialNumber

意味: シリアル番号文字列ディスクリプタのインデックス
設定方法: 文字列ディスクリプタのインデックス

uint8_t iSerialNumber = 3; // 例：インデックス3

n. bNumConfigurations

意味: サポートするコンフィギュレーションの数
設定方法: デバイスがサポートするコンフィギュレーション数を設定

uint8_t bNumConfigurations = 1; // 例：1つのコンフィギュレーション

3. まとめ

USBデバイスディスクリプタは、デバイスの基本情報を提供する重要な構造体です。各フィールドはデバイスの特性や機能を詳細に説明し、ホストが適切にデバイスを認識し、ドライバをロードするための基礎を提供します。上記の設定方法を参考に、正確なディスクリプタを構築することで、USBデバイスが正しく機能することが保証されます。